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沿革
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渡辺雅彦教授(平成10年11月-令和7年3月)
平成10年に渡辺雅彦教授が就任して以降、本講座の研究は、それまでの人類学的研究から、遺伝子・分子を基盤とした形態生物学・神経解剖学へと大きく転換した。発足当初より、遺伝子発現および分子局在解析に基づく分子解剖学的研究と、遺伝子改変マウスの表現型解析による形態生物学的研究を推進し、独自の研究基盤を確立した。とくに分子局在解析では、新規抗体作製を積極的に進め、300種類以上の特異抗体を整備し、共焦点レーザー顕微鏡による多重標識や免疫電子顕微鏡法と組み合わせることで、高感度・高解像度の解析を実現した。また、表現型解析においても、電子顕微鏡観察に加え、ゴルジ染色、遺伝子銃、画像解析技術などを導入し、解析精度を高めた。これらの手法を統合的に用い、小脳、大脳皮質、海馬、大脳基底核、扁桃体、感覚神経核などにおけるシナプス機能発現と回路発達の分子機構解明に取り組み、独創的な成果を挙げた。これらの業績により、北海道大学医学研究科優秀研究賞(2006)、北海道大学総長研究賞(2015)、時実利彦記念賞(2015)、伊藤太郎学術賞(2019)、秋山財団賞(2023)、日本顕微鏡学会学会賞(瀬藤賞)(2024)などを受賞し、日本解剖学会理事・常務理事・理事長、日本神経科学学会理事、日本学術会議会員を歴任した。
教育面では、オリジナルの教科書や実習書を作製し、こまめに改訂を行うなど、学生が自主的に勉強するための環境づくりに尽力した。平成18年からは解剖学講座二分野体制化に伴い、解剖学実習6単位(90コマ)、解剖発生学(2単位、30コマ)、神経解剖学(1単位、15コマ)の担当教室となった。教育への取組は、医学科の優秀科目賞やエクセレントティーチャー賞の継続的な受賞として評価された。
渡辺雅彦名誉教授の最終講義やこれまでの研究をまとめた退職記念資料はこちら(準備中)。